P23-11 : 宮崎県鵜戸湾に於ける栄養塩・有機物の分布と微生物叢の解析
Posted On 20 10月 2014
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1宮崎大学 農学部 海洋生物環境学科, 2, 3, ,
宮崎県日南市の沿岸海域は地場産業としてイセエビなどの水産資源が豊富にある。このような水産資源を持続的に利用するには、周辺海域の環境状況の把握が重要であるが、当該地域における水質や底質、その物質循環に介在する微生物群集に関する知見は殆ど無いのが現状である。そこで本研究では、水質・底質の分布に関連する基礎的知見を得るため、日南市に位置する鵜戸湾の栄養塩・有機物の分布調査を実施した。鵜戸湾全体並びに鵜戸港内に定点を設け、2013年12月に調査を実施した。採水器を用いて、表層・底層の海水サンプルを採取し、海水のpH、水温、溶存酸素、窒素、リン、化学的酸素要求量(COD)を測定した。 鵜戸港外の全ての定点に於いてCOD値は1.4 mgO2/L以下であった。港内の調査では2.0 mgO2/L以上の値を示す地点が見られる一方、0.7 mgO2/L以下の地点も確認された。総窒素は河川が流入する付近の定点で0.32 mg/Lを示したが、外洋側の定点では0.02 mg/Lと低濃度であり、湾内でも大きな変動が見られた。港内の有機態窒素と無機態窒素濃度を比較したところ、一定点を除き、総窒素に対して有機態窒素が50%以上の割合を示した。総リンについては、港内の定点間で顕著な差は認められなかった。これらのデータに加え、細菌叢の解析のためZoBell 2216培地等を用いた従属栄養細菌の分離を行い、分離株の16S rRNA遺伝子配列に基づく系統解析を行う。また、底泥を含んだ物質循環、特に酸揮発性硫化物濃度の動態解析を行い、微生物フローラ・物質循環の観点から鵜戸湾の包括的な環境診断を実施する。。
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