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P21-23 : マイクロコズム生態系における最上位捕食者導入による攪乱と影響解析
Posted On 20 10月 2014
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1千葉工大・工, 2東北工大・工, 3, ,
本研究では、バイオマニピュレーションにおける導入生物が既存の生態系に及ぼす影響に関する基礎的知見の集積を目的として、Gnotobiotic型マイクロコズムを用いた構成微生物群の個体数変動とP/R比に着目して、食性の異なる食物連鎖の最上位に位置する生物種の導入を行い、トップダウン効果が生態系に及ぼす影響を解析検討した。その結果、凝集体摂食者であるA. hemprichiを導入した場合、1倍量では生産者である緑藻類、藍藻類の減少はみられなかったが、10倍量においては添加直後、緑藻類の個体数は半減した。また、ろ過摂食者であるP. erythrophthalmaは10倍量添加系においてChlorella sp.のみ個体数を45%減少する効果がみられた。本研究では、①植物プランクトンを制御するためにはトップダウン効果の中でも、直接の捕食被食関係にある最上位捕食者の導入が最も効率的であること、②バイオマニピュレーションを行う場合、繁殖速度の速い生物は生物の導入により、間接的に個体数の増加につながる可能性があること、③系外への排出が無ければ水質の改善が見込めないことが示唆され、実際のバイオマニピュレーションに必要な条件の再現ができたと考えられる。今後、更なる基礎的知見の集積が必要である。
keywords:マイクロコズム,食物連鎖,バイオマニピュレーション,トップダウン制御,生態系機能