P21-7 : 汽水湖に生息する極小細菌の解析
Posted On 20 10月 2014
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1静岡大創造科技大院, 2静岡大・工, 3静岡大院・工, 4静岡大・電研
【目的】佐鳴湖は,高い化学的酸素要求量(COD)が問題となっている汽水湖である.水深が浅く,川で連結する浜名湖から海の潮汐によって水が逆流し,長期にわたり湖水が滞留している.我々は,佐鳴湖から,一般的に濾過滅菌に用いられる孔径0.2 µmのフィルターを通過し,コロニーを形成する極小細菌を発見した.本研究では,佐鳴湖に生息する,培養可能な極微小細菌について,その生理・生態について理解することを目的として実験を行った.
【方法】佐鳴湖で採取した湖水を,孔径0.2 µmメンブレンフィルターで濾過した試料を,希釈したLB培地,Marine broth,R2A培地に塗布した.得られたコロニーについて単離操作を行った後,16S rRNA遺伝配列を決定し,系統解析を行った.
【結果と考察】これまでに孔径0.2 µmメンブレンフィルターを通過可能な,約100個のコロニーが得られており,そのうち7株の単離および同定に成功した.各菌株の16S rRNA遺伝子配列から,1株(Ys株と命名)はBacteroidetes門 に属する菌株と推定された.他の6株については,4株がHylemonella gracilis ATCC 19624(相同性99%)と,1株がAcidovorax caeniR-24608 (相同性99%)とImperialibacter roseus P4 (相同性99%)と相同性が高かった. Y株について系統解析したところ,類縁株のほとんどは未培養で,属種の同定されていない菌株であったため,本菌株が新属であることが示唆された.現在新属提案に向け緒性質の解析を行っている
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