O33-02 : rRNA遺伝子オペロンが9.4 kbレプリコンにのみ存在する細菌ゲノムの発見
Posted On 20 10月 2014
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1東北大・院・生命科学, 2, 3, ,
染色体は、生存に必須な遺伝子が存在するレプリコンである。全ての既知細菌の主染色体は、rRNA遺伝子オペロン (rrn) が存在する最大のレプリコンであることが知られている。本発表では、唯一のrrnが最大のレプリコンではなく、9.4 kbのレプリコンに存在する新規のゲノム構成から成る細菌を発見したので、その特徴を報告する。演者らは、圃場で栽培したダイズの茎の細菌群集より分離したAureimonas sp. AU20株の全ゲノム塩基配列を次世代シーケンサーおよびサンガー法で決定したところ、本ゲノムは3.7 Mbから9.4 kbまで9つのレプリコンから成り、唯一のrrnが最小の9.4 kbレプリコン上に存在することが示唆された。更なるサザンハイブリダイゼーションで、rrnは3.7 Mbの主染色体には存在せずに9.4 kbレプリコン上のみに存在することが判明した。本レプリコンには、プラスミド型複製開始タンパク質をコードするrepが存在していたが、分配遺伝子parは見出されなかった。定量PCRで本レプリコンのコピー数を調べたところ、定常期で30コピー程度保有していた。従って、本レプリコンは細胞分裂時に高コピープラスミドのように確率的に分配されていると示唆された。
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