P25-29 : ミカンキジラミ共生細菌から得られた新規ポリケチド「ディアフォリン」の活性評価
Posted On 20 10月 2014
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1豊橋技科大, 2, 3, ,
ミカンキジラミ(Diaphorina citri, 半翅目・キジラミ上科)は、カンキツグリーニング病の媒介により柑橘類に致命的な被害を与える、世界的に重要な農業害虫である。本種は腹部体腔内に「bacteriome」と呼ばれる共生器官を持ち、2種類の共生細菌Candidatus Profftella armatura (Betaproteobacteria)とCandidatus Carsonella ruddii (Gammaproteobacteria)を収納している。我々の先行研究により、1) Profftellaは新規ポリケチド「ディアフォリン」を産生すること、2) ディアフォリンは、アオバアリガタハネカクシの体液に含まれ、線状皮膚炎を起こすことで知られる「ペデリン」の類縁体であること、3) ディアフォリンは、哺乳類細胞に対し毒性・抗腫瘍活性を示し、宿主昆虫を天敵から守る防衛毒として機能すると目される一方、創薬シード化合物としても有望であること、等が明らかとなった。ただし、ディアフォリンの自然界における真の標的、生物学的機能は不明である。今回我々は、細菌、真菌、昆虫細胞、各種哺乳類細胞など、幅広い系統の生物群・細胞を用いてディアフォリンの薬理活性評価を行い、その作用スペクトルについて検討した。本大会では、ペデリンの薬理活性・作用スペクトルと比較しながらその結果を報告し、ディアフォリンの生態学的機能、ミカンキジラミの生物学的防除に対する影響、創薬への応用利用の可能性などについて考察する。
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