P22-34 : 東日本大震災の津波浸水による農地土壌微生物群集への影響
Posted On 20 10月 2014
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1秋田県大・生物資源, 2, 3, ,
東北太平洋沖地震の震央に近い地域で津波浸水した農地において、土壌微生物群集の解析を行い、近くの浸水を免れた土壌との比較を行った。
土壌試料は宮城県東松島市内の浸水を免れた水田(UF)、約2週間浸水した水田(ST)、約2ヶ月間浸水した水田(LT)から採取した。試料は津波浸水の1年後、2年後および3年後に採取した。土壌試料の物理化学的な分析を行うとともに、DNAを抽出し、真正細菌に特異的な8F/518Rプライマーを用いて16S rRNA遺伝子断片をPCR増幅、配列を決定し、試料間の比較を行った。
津波浸水から1年後には、STとLTはProteobacteria門の優占化、亜硝酸酸化細菌の割合の低下、硫黄酸化細菌、特に耐塩性の硫黄酸化細菌であるHalothiobacillus属の増加が見られ、さらに海洋環境からのみ検出が報告されているMariprofundus属がLTから検出された。またクラスター解析の結果、STとLTは、UFとは明確に異なるクラスターを形成した。
津波浸水から2年目、湛水および作付けを行ったSTは、浸水2年後には亜硝酸酸化細菌および硫黄酸化細菌の割合がUFと同程度になり、クラスター解析では細菌群集構造についてUFとの違いが見られなくなった。しかし、浸水後放置された水田LTの細菌群集はUFとは異なる構造であった。
現在これらサンプルの津波浸水3年後の細菌群集構造を解析中である。
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