微生物生態学会38巻2号 ハイライト
扉を開く
Crossing cultures in interdisciplinary microbiology Jackson M. Tsuji (JAMSTEC)
小学生の時にイエローストーン国立公園でダイナミックな地球の活動に感銘を受け、その後カナダのWaterloo大学で博士号を取得したTsuji先生。学術振興会特別研究員として来日し、現在はJAMSTECの若手研究員として研究を続けています。International Symposia on Microbial Ecology(ISME)で得た貴重な経験、異なる研究室ごとの微妙な違いに適応するためのコツ、そして日本にいるあるいは来日を検討している研究者や、海外に出ようと考えている日本の若手研究者へのアドバイスなど幅広い内容をご執筆いただきました。
世代を超えて
常識への挑戦、生成AIなら疑っただろうか? 正木 春彦
毒素タンパク質コリシンをはじめとするタンパク質間相互作用の研究に従事された正木先生に、アミノ酸進化、Dアミノ酸の存在、バクテリアのコロニー形成メカニズムなど、常識を疑いつつ新たな研究への道を見つけたエピソードを紹介いただきました。
学会賞受章の言葉
第1回学会賞の受賞に寄せて:微生物生態学の裾野を広げよう! 南澤 究 (東北大学)
受賞タイトルは「微生物と宿主植物との共生機構ならびに共生を通じた物質循環機構の解明,及び Microbes and Environments 誌の国際展開に対する貢献」。40年以上にわたり、植物共生細菌の多様性と物質循環機能を軸に研究を続けてこられました。研究業績のみならず、M&E誌の編集委員長や会長も経験、学会の名物である「自由闊達な雰囲気づくり」に尽力されました。今も市民参加型のムーンショットプロジェクト「地球冷却微生物を探せ」を展開しており、微生物生態学分野のさらなる発展に向けたリーダーシップに貢献いただけると心強いメッセージをいただきました。
奨励賞受賞の言葉
日本微生物生態学会奨励賞の受賞に寄せて 堀 知行 (産業技術総合研究所)
受賞タイトルは「自然・工学的環境における微生物コミュニティの理解と利用」。微生物で地球の環境を良くしたいとの思いが研究のモチベーション。自由に研究に取り組むことができたことに感謝していると語っていただきました。厳しい状況でも希望を持ち、次の世代へのバトン継承に努めますとお言葉をいただきました。