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微生物生態学会35巻1号 ハイライト
Posted On 16 5月 2022
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リサーチ最前線(第33回山梨大会の優秀ポスター賞受賞者からエディターズチョイス)
ラッソペプチドの生合成機構の解明を目指して 澄田 智美
特徴的な“投げ縄”構造を有するラッソペプチドは,貧栄養環境下において微生物が生産する抗生物質の一種である。本研究では,ラッソペプチドの合成酵素群のうち生合成経路の第1段階で働くLasB1についてX線結晶構造解析を実施した。
共生細菌のゲノム縮小進化を駆動する要因 金城 幸宏
本稿では,共生細菌を対象にゲノムから遺伝子が失われて単純化していくゲノム縮小進化についてご自身の昆虫の細胞内共生細菌のゲノム解析成果とともに解説している。
アンモニア酸化細菌の個性によるしなやかな生存戦略 一色 理乃
本発表では,アンモニア酸化細菌の継代培養が難しい要因として表現型の不均一性に着目し,アンモニア酸化細菌の細胞集団において増殖と環境適応を両立するために表現型を不均一化する柔軟な生存戦略を明らかとした。
扉を拓く – 活躍する若手
国と分野の境を越えて 渡邉 友浩(マックスプランク陸生微生物学研究所)
ピロリ菌,硫黄酸化菌,メタン生成古細菌と幅広い環境微生物のエネルギー代謝の原理や進化の研究に携わっていらっしゃった渡邉博士にドイツ留学のきっかけやフンボルト財団の奨学金の詳細などについてお話を伺いました。
世代を超えて
微生物と酵素を行ったり来たり 片山 葉子(東京文化財研究所)
現在石造文化財表面の微生物と劣化の関係などについてご研究していらっしゃる片山先生に,硫黄酸化細菌研究の歴史やご自身の硫黄化合物代謝に関与する酵素の構造解析研究などについてご紹介いただきました。