書籍:難培養微生物研究の最新技術Ⅲ ―微生物の生き様に迫り課題解決へ―
難培養微生物研究の最新技術Ⅲ
―微生物の生き様に迫り課題解決へ―
多くの微生物生態学会員が執筆した書籍が出版されました。
難培養微生物研究の基盤となる技術は、さまざまな微生物生態系や多様な微生物に適用され、メタ解析や大規模なゲノム情報の解析のみならず、生態系を構成する個々の微生物の機能や役割をも複合的に理解する研究が進展して、まさに環境中の微生物の生き様を解き明かすことに役立っています。これにより、微生物群集における微生物間の相互作用や宿主との共生、環境との相互作用と環境への影響、地球温暖化やエネルギー・環境保全・食糧といったわれわれ人類が抱える課題の解決をめざした研究などに目覚ましい成果が次々と報告されています。微生物が関連する生態、共生、環境についての研究と課題解決のためのアプローチについて、進展著しいこれらの研究分野の研究成果や今後の展望が紹介されています。
監修: 大熊盛也、野田悟子
B5判261ページ、2015年8月7日発行、ISBN 978-4-7813-1081-7
定価(税込) 71,280 円
微生物生態学会員は、こちらで申し込むと特別価格で購入が可能です。
出版元URL:
http://www.cmcbooks.co.jp/products/detail.php?product_id=4929
目次
第1編 基盤技術・情報の進展
第1章 微生物ゲノム研究の動向 (大島健志朗 / 須田亙 / 服部正平)
第2章 微生物統合データベースによる微生物と環境の研究への貢献 (森宙史 / 東光一 / 山田拓司 / 黒川顕)
第3章 メタゲノム情報からの難培養微生物ポピュレーションゲノムの抽出・再構築技術 (関口勇地 / Dieter M. Tourlousse)
第4章 シングルセルゲノム解析技術の現状と展望 (雪真弘 / 大熊盛也)
第5章 難培養微生物の機能解析研究の進展 (野田悟子)
第6章 メタオミクス解析による微生物群集代謝ネットワーク解析 (石井俊一)
第7章 二次イオン質量分析法による同位体の高分解能イメージング解析―微生物学研究での利用― (久我ゆかり)
第2編 共生微生物の機能と応用
第8章 腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸と宿主免疫・生体防御 (大野博司)
第9章 口腔内環境と微生物 (坂本光央)
第10章 農業害虫の生存を支えるオルガネラ様共生細菌 (中鉢淳)
第11章 昆虫に新機能を賦与する微生物 (伊藤英臣 / 菊池義智)
第12章 昆虫と酵母の共生 (遠藤力也)
第13章 糸状菌の細胞に内生する細菌 (太田寛行 / 佐藤嘉則 / 西澤智康)
第14章 植物と病原微生物の相互作用と作物保護 (浅井秀太 / 白須賢)
第15章 C1微生物と植物の共生 (井口博之 / 由里本博也 / 阪井康能)
第16章 深海生物の微生物共生 (中川聡)
第17章 微生物間の電子移動に基づく共生 (加藤創一郎)
第3編 微生物と環境の研究
第18章 鉄酸化細菌研究の現状と展望 (加藤真悟)
第19章 微生物腐食:微生物による金属腐食 (飯野隆夫)
第20章 微生物の細胞外電子伝達と汚染浄化 (天知誠吾 / 山村茂樹)
第21章 有機塩素化合物の還元的脱ハロゲン呼吸細菌の研究と浄化利用の動向 (吉田奈央子)
第22章 環境中における可動性遺伝因子の動態解析 (新谷政己)
第23章 植物に生息する環境応答微生物の特定と分離 (按田瑞恵 / 南澤究)
第24章 海洋細菌の新しい光エネルギー利用機構:ロドプシン (木暮一啓)
第25章 二酸化炭素地中貯留と地下微生物生態系への影響 (眞弓大介 / 鎌形洋一)
第26章 地下圏微生物によるメタン生成と分散型エネルギー生産技術への応用 (木村浩之)
第27章 蛇紋岩水系地下生命圏に生息する微生物群の生態系 (鈴木志野)