微生態和文誌29巻2号 ハイライト

総説 空間行動から読み解く海洋微生物の種分化プロセス  八幡 穣 遊泳性・走化性・表面付着・バイオフィルム形成などの能力で、微生物は環境中を移動したり好ましい場所にとどまったりすることができる。こうした行動を「空間行動」と呼ぶことにしよう。微小な微生物の空間行動は微弱であり、共存や種分化といった進化的に重要な現象を駆動することは無い―とする考えがこれまでは主流だった。筆者らはこれをくつがえし、新しい技術を用いて微生物の空間行動を直接観察することで、空間行動が微生物の進化的生態(共生・種分化)の重要な要素であることを解明した。筆者らは、空間行動の分化が“競争力と移動

微生態和文誌29巻2号

9月1日発行号 目次 総説 ・空間行動から読み解く海洋微生物の種分化プロセス         八幡 穣 ・細胞外電子伝達:固体を呼吸基質とする微生物たち         加藤創一郎 リサーチ最前線 「嫌気性排水処理リアクターで起こる嫌気的硫黄酸化反応」  幡本将史、山口隆司   M&Eハイライト Editor’s Choice M&E vol. 29 No. 1 とNo. 2 に掲載された32報から,M&E 編集長およびSenior Editor が特にお薦めする5報をご紹介します。著者によるハイライト紹介と併せて,M&E 本誌も