男女共同参画・ダイバーシティ推進委員会 教育講演

「色覚の多様性とカラーユニバーサルデザインCUD」

日時:10月23日(日) 16:10〜17:10
講演者: 東京慈恵会医科大学解剖学講座教授
 NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構副理事長 岡部 正隆 氏

要 旨: 色は光の波長成分を元にして神経系で合成される感覚である。その感覚は遺伝的背景に依存した個人差が存在する。我々は身近なところで、色の違いによって重要な情報を判断している。学会においても、カラー印刷したポスターや、液晶プロジェクターを用いたカラフルなプレゼンテーション、学術雑誌におけるカラー図版が通常用いられており、その中で使用している色そのものに重要な情報が含まれていることが多い。文字や記号のような形の違いに基づいた情報伝達手段と異なり、色による情報伝達は色覚の個人差によって、相手に正確に伝わらない可能性がある。
 日本人男性の5%、日本人女性の0.2%に存在する色弱という視覚特性では、色の見え方がその他の人たちと異なるために、学会のみならず教育現場や公共で情報弱者として不便を強いられていることがある。発表者らは、2001年より、様々な学会において、色弱の人たちにも理解しやすいカラー図版の作成方法や蛍光顕微鏡画像の供覧方法を普及させるために活動を始めた。この活動はすぐにマスコミなどで取り上げられ、当初「色覚バリアフリー」と称していた。その後この啓発活動は、より多くの人たちの協力のおかげで「カラーユニバーサルデザインCUD」として、自治体や公共交通機関、様々な企業の商品や活動に広がりをみせている。
 本学会に参加されている方々は、多かれ少なかれ、講義や講演、書籍、ホームページ、ポスターなどの媒体を介して、自らが情報発信源として活躍する機会があると推察される。皆さんの発信した情報を読む人たちの色覚には多様性があることを忘れないで欲しい。本講演では、色の見え方とその多様性、少数派色覚の特徴や困難を踏まえて、より多くの人たちに情報を伝えるためのカラーユニバーサルデザインCUDのノウハウを紹介する。皆さんの将来の活動に是非活用していただきたい。

CUDに関する参考サイト:

色盲の人にもわかるバリアフリープレゼンテーション法

NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構


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