P18-08 : 環境水中に生息する自由生活アメーバ類の分子生物学的手法による検出
Posted On 20 10月 2014
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1アクアス・つくば総研, 2茨城大・農
【目的】自由生活アメーバ類は環境中に広く生息しており,レジオネラ症の原因細菌であるレジオネラ属菌の宿主にもなる.そのため,環境水のレジオネラ汚染を抑制するためにはアメーバ類の抑制も必要で,アメーバ類の検出は重要である.アメーバ類の検出方法としては培養法が一般的だが,観察および同定には技能を要し,培養には2週間程度掛かるため容易ではない.そこで,培養法よりも迅速にアメーバ類を検出および同定するため,Terminal Restriction Fragment Length Polymorphism(T-RFLP)法による検出を検討した.
【方法】冷却塔水から5種のアメーバ類(Acanthamoeba sp.,Naegleria sp.,Hartmannella sp.,Flamella sp.,Nuclearia sp.)を培養法(大腸菌塗布無栄養寒天培地)で単離した.そして,PrepMan Ultra(Applied Biosystems)でDNAを抽出し,18S rRNA遺伝子の一部をPCR増幅した.PCR産物は制限酵素処理してDNAシークエンサーでフラグメント解析した.また,冷却塔水から環境DNAを調整し,同様にT-RFLP解析した.
【結果および考察】T-RFLP解析において6種類の制限酵素を検討した結果,Fun4HIが最も解析に適し,上記5種のアメーバ類を迅速に検出できることが示された.また,冷却塔水の解析では,アメーバ類由来と判断される単離アメーバと類似のフラグメントが観測された.今後は共存する他の真核生物の影響を確認しながら,環境水からのアメーバ類検出方法の確立をめざす.
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