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P16-32 : スイートソルガム搾汁液を用いたブタノール発酵生産向上化技術の開発
Posted On 20 10月 2014
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1茨城大・院・農, 2東農工大・院・連合農, 3東京文化財研
バイオブタノールは、バイオエタノールと比較して、低揮発性、低腐食性、高燃焼性である点で注目されている。しかし、細菌が生産するブタノールやスイートソルガム等の原料に含まれるフェノール系化合物の毒性が生産の妨げとなっている。これらの物質に対して耐性を持つ細菌株が複数分離されているが、いずれもブタノール生産量は培養液の約2 %である。本研究では、2 %以上の安定したブタノール生産を確立することを目的とし、ブタノール耐性菌の選抜、および活性炭によるフェノール系化合物の吸着除去試験を行った。 細菌の分離源として、牛糞スラリーとスラリー施用区土壌を用いた。各サンプルにブタノールを含む培地を加え、紫外線を照射して突然変異を誘発した後30 ̊Cで約5日間培養した。細菌の増殖が確認されたサンプル同条件の培地で継代培養した後、平板培養で細菌を分離し、性状解析を行った。また、当研究室で分離したClostridium beijerinckii SBP2株を用い,スイートソルガム搾汁液に活性炭を加えた条件で培養し、フェノール系化合物の吸着と増殖性状を解析した。 ブタノール耐性菌のスクリーニングでは、牛糞スラリーから1.2 %のブタノール耐性をもつ細菌を複数分離したが、2%耐性株は得られなかった。1.2%ブタノール耐性分離株はいずれもグラム陽性桿菌であり、一部は芽胞形成菌であった。活性炭による有害物質の吸着によって、ブタノール生産の向上が示唆された。今後は、より高い耐性株を選抜し、ブタノール生産条件の最適化を検討する予定である。
keywords:バイオ燃料,活性炭,フェノール系化合物,ブタノール,