P15-12 : 活性汚泥中のメタノール資化微生物の比較メタゲノム解析
Posted On 20 10月 2014
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1東京薬大・生命科学
メタノールは、化学工業などで広く用いられるC1アルコールである。メタノール含有廃水の処理には活性汚泥法が広く利用されており、その中でメタノール資化微生物を知ることは重要である。過去に活性汚泥から幾つかのメタノール資化菌が単離されているが、未だその生態的特性が十分に理解されたとは言えない。そこで本研究では、活性汚泥中の主要メタノール資化菌の特性を理解することを目的に、メタノール馴養活性汚泥のメタゲノム解析を行った。同時に、従来から特定機能微生物の獲得のために用いられているバッチ培養法および連続培養法によりメタノール資化菌を集積し、それらを比較した。
日野市にある水再生センターから得た活性汚泥(SAS)を実験用活性汚泥槽に入れ、メタノール含有人工下水の処理を行い、メタノール馴養活性汚泥(MAS)を得た。また同じ植種から、メタノールを唯一の炭素源とする連続培養 (MCC) およびバッチ培養 (MBC)により、メタノール資化微生物群を集積した。これら4サンプルから抽出したDNAについて、Hiseq2000を用いたshotgun sequenceingを行い、そこから作成したcontigを用いてbin genomeを再構築した。同時に、16S rRNA遺伝子PCR増幅物の分子系統解析も行った。その結果、分子系統解析においてはSAS , MAS , MCC , MBCの順に多様性が高いことが示された。一方メタゲノム解析においては、MBC , MCC , MASの順で重複度の高いbin genomeが得られた。これらの機能予測から、集積された微生物の特性を明らかにしていきたい。
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