P12-10 : ハクサイ黄化病発生圃場における発病程度と土壌の細菌相・糸状菌相・線虫相との関係
Posted On 20 10月 2014
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1農環研, 2群馬県農業技術セ, 3長野県野菜花き試験場, 農研機構・北海道農業研究セ
ハクサイ黄化病は、産地でしばしば激発し、減収を引き起こす土壌伝染性病害である。本病は、病原菌Verticillium dahliaeおよびV. longisporumにより引き起こされ、土壌中の植物寄生性線虫のキタネグサレセンチュウ(Pratylenchus penetrans)により発病が助長されることが知られている。 今回、本病の発生と土壌の生物性との関連の解明に役立てるため、ハクサイ黄化病発生圃場における発病程度とPCR-DGGE法による土壌微生物相との関係を調べた。すなわち、群馬県内の発病程度の異なる圃場の非根圏土壌を試験区ごとに経時的に採取し、PCR-DGGE法により採取土壌の細菌相,糸状菌相および一般線虫相を解析した。解析結果を基に、Shannon-Wienerの多様性指数(H’)ならびに黄化病菌とキタネグサレセンチュウのバンドの相対強度を算出し、これらと黄化病の発病程度との関連を調べた.その結果、前作収穫後の時期の土壌における一般線虫相のH’が,翌年の黄化病の発病程度との間で負に相関する傾向等が見られた.また、同時期の土壌では、黄化病菌とキタネグサレセンチュウのバンドの相対強度が翌年の発病程度と正に相関する傾向が認められた。これらのことから、前作収穫後の時期の土壌の一般線虫相の多様性、 黄化病菌とキタネグサレセンチュウの存在の有無あるいはその存在程度等が、次作の黄化病の発病程度と関連する生物性の特徴となり得ることが示唆された。
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