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P25-43 : 口腔うがい液に存在する歯周病菌と歯周病抑制菌の試料間比較
Posted On 20 10月 2014
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1九州工業大・院生命体工・生体機能応用工, 2, 3, ,
近年、生活習慣病の一つとして注目されている歯周病は、口腔内の病原細菌による感染症である。その歯周病細菌群としては、Aggregatibacter actinomycetemcomitans菌(A.a.菌)やPorphylomonas gingivalis菌(P.g.菌)などが報告されている。また、歯周病が口腔内疾患のみでなく全身疾患と高い関連性を持つことがわかっており、有用な口腔内ケア技術の開発が求められている。一方で、プロバイオティクスを確立するためには、個人個人のうがい液中に存在する歯周病菌と歯周病抑制菌の存在比などのデータを蓄積していく必要がある。本研究では、歯周病患者と健常者のうがい液からDNAを抽出し、歯周病細菌A.a菌およびP.g.菌、すでに当研究室で歯周病抑制菌の一つと同定したPseudomonas aeruginosa(P.a菌)の存在比をそれぞれTaqMan法による定量リアルタイムPCRを用いて比較した。その結果、健常者ではP.a.菌存在率が歯周病患者に比べて高かった。一方、歯周病患者では、P.g.菌の存在率が健常者に比べ高く、歯周病患者特有の指標として考えられる。A.a.菌のみを餌菌とした寒天培地を作成し、うがい液を塗布したところ、透明な溶解斑(ハロー)を得た。次にハローを形成した菌株を選別・単離し、その菌株から得た上清みと歯周病菌を栄養培地に加えて、歯周病菌の増殖を調べた結果、12株中1株に阻害効果がみられた。これより、単離した歯周病抑制菌が細胞外放出因子による効果だけではなく、直接的な細菌間相互作用により、歯周病菌の生育を阻害していることが示唆された。
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