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P25-18 : 糸状菌Mortierella elongataに内生する新属新種細菌の性状解析
Posted On 20 10月 2014
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1茨城大・院農, 2東京文化財研究所, 3東京大・大気海洋研究所, 茨城大・農,
先に、演者らは畑地土壌からの糸状菌分離株Mortierella elongata FMR23-6 I-B1は菌糸内にBurkholderiaceae科細菌を保持していることを報告した。これまで、この内生細菌の分離培養には成功していなかったが、糸状菌の内生細菌画分をゲノム解析した結果、システイン要求性が明らかになり、この要求性を満たす培地条件で内生細菌の分離培養に成功した。本発表では、この内生細菌分離株(B1-EB株)の形質学的特徴と化学分類学的性質について報告する。 B1-EB株は好気性のグラム陰性桿菌で非運動性であった。API ZYMによる酵素活性試験ではエステラーゼとロイシンアリルアミダーゼ、ナフトール-AS-BI-フォスフォヒドロラーゼの活性がみられた。API 20 NEによる資化性試験では利用可能な糖はなく、ゲノム解析情報の結果と一致した。主な菌体脂肪酸はSummed Feature 8(C18:1ω7cかC18:1ω6c)、Summed Feature 3(C16:1ω7cとC16:1ω6c)、C16:0で構成されていた。16S rRNA遺伝子(1519 bp)のホモロジー解析では、B1-EB株はBurkholderia属のクラスターとは分岐した位置にあり、最も近縁な株はBurkholderia thailandensis E264株(塩基配列の相同性は95%)であった。これらの結果より、本菌株に対して、Burkholderiaceae科の新属新種Mycophilus cysteinexigensを提唱する。
keywords:Mortierella elongata,Endobacterium,Fungal-bacterial interaction,,