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P22-20 : 白神山地土壌の細菌群集構造と難培養性Acidobacteria門細菌に関する研究
Posted On 20 10月 2014
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1弘前大・農学生命
【背景・目的】2013年度の微生物生態学会大会において、白神山地土壌に生息する細菌を対象にした非培養法と培養法による解析により、白神自然観察園土壌と高倉森土壌中では難培養性Acidobacteria門細菌が優占すること、ゲランガムを固化剤とした土壌抽出液培地によりGP1に属するAcidobacteria門細菌の分離が可能であることを報告した。今回、PCR-DGGE解析による白神山地土壌の細菌群集構造解析と、分離したAcidobacteria門細菌の詳細な解析により生態の推測を試みた。
【方法】弘前大学白神自然環境研究所附属白神自然観察園の尾根部の複数地点から土壌DNAを抽出し、細菌16S rDNAのPCR-DGGE解析を行った。白神自然観察園土壌から分離したAcidobacteria門のGP1に属するSK-1株とSK-11株の生理生化学的特徴は、土壌抽出液によって調製した低栄養培地を基本培地として用い解析した。
【結果・考察】白神自然観察園の尾根部土壌のPCR-DGGEバンドパターンに地点間で大きな差異は見られず、尾根部に限れば白神自然観察園土壌の細菌群集構造は類似していた。白神自然観察園土壌からの分離菌株SK-1株とSK-11株の生育pH範囲は、SK-1株がpH4.0~6.5(至適pH5.0~5.5)で、SK-11株がpH3.5~6.0(至適pH5.0)であり、強酸性(pH4.1~4.9)の褐色森林土である白神自然観察園土壌に生理的に適応することが示唆された。また両菌株はペクチン、セロビオース等の植物由来の糖質を利用分解することから、植物遺体の分解代謝に関与していると考えられた。
keywords:Shirakami-Sanchi,Acidobacteria,PCR-DGGE,bacterial community structure,