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P22-4 : 日本の水田におけるメタン生成菌の群集構造の空間パターン
Posted On 20 10月 2014
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1弘前大・農学生命
地理的要因が水田土壌のメタン菌群集の構造に与える影響を調べるため,水稲作北限の北海道,名寄市から九州最南端,鹿児島市までに広がる水田40カ所の土壌をサンプリングし,DNA抽出後,メタン菌群集の群集構造をT-RFLP法で調べた。また,東北地方のヨシが優占する自然湿原の土壌のメタン群集を調べ,地表の植物植生がメタン生成菌群集に与える影響も調査した。群集構造解析に用いたプライマーは,リボソームRNA領域の109f/934rであり,制限酵素としてTaq1を用いた。また,各土壌の土壌タイプ,全炭素,窒素,pHも調査した。 結果:(1)断片切断長(T-RFLs)として13の断片長多型が検出された。地理的に,北海道,東北,関東・東海,北陸,近畿・中国,九州の7地域に分け,地域間と地域内のメタン菌群集を比較したところ,地域間より地域内のメタン菌群集構造の差は大きくなり,メタン菌に地理的分化が起こっていないことが明らかとなった。(2)しかし,調査地の緯度や経度と有意な相関を示す断片長が見られたが,全炭素や全窒素が南や西の地域ほど低い傾向があり,断片長多型の地理的変異は土壌の有機物含有量を反映していると考えられた。(3)土壌タイプはメタン生成菌の群集構造に大きな影響を与えてなかったが,土壌pHはメタン生成菌の群集構造に大きな影響を与えた。(4)自然湿原土壌のメタン菌群集は近接する水田土壌のメタン菌群集と顕著な違いを見せ,地上部植生によりメタン菌群集が大きく変わることが分かった。
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