2015年微生物生態学会奨励賞:受賞理由と受賞者の声を公開しました

第一回微生物生態学会奨励賞(2015年)の受賞理由を公開しました。 また、受賞者である、石井聡氏(ミネソタ大学, Assistant Professor)と吉澤晋氏(東京大学大気海洋研究所講師)からの受賞コメントをいただきました。 こちらからご覧ください。
Posted On 13 7月 2015

2015年微生物生態学会奨励賞:受賞者の声(吉澤晋氏)

光と微生物の関係に魅せられて 吉澤 晋 はじめに、共同研究者および支援・アドバイス・叱咤激励してくださった数多くの方々に厚く御礼申し上げます<(_ _)>。 私が初めて微生物生態学会に参加したのは22回大会(2006年)で、博士課程の1年生の時だ。修士課程までは、ナノ、ピコ秒レベルの分光測定を得意とする物理化学研究室に所属していたため、微生態の定番手法であるDGGE、FISH、16S rRNAクローンニング法でさえ、その斬新さに衝撃を受けたのを鮮明に記憶している。分子生物学的手法を用いた研究発表に多くの人が目を輝かせていた時代ではあったが、私の研究テー
Posted On 13 7月 2015

2015微生物生態学会研究奨励賞:受賞者の声(石井聡氏)

受賞の言葉 石井 聡 この度は第一回日本微生物生態学会奨励賞を賜り、大変光栄であるとともに身の引き締まる思いです。選考委員の先生方をはじめ学会関係者の皆様、そして推薦してくださいました北海道大学大学院の岡部教授に厚く御礼申し上げます。また、受賞理由に挙りました研究をサポートしてくださいましたミネソタ大学Sadowsky教授、東京大学大学院妹尾教授、北海道大学大学院岡部教授および共同研究者の方々に深く感謝いたします。 私は微生物を利用した環境問題の解決に興味があり、この分野に足を踏み入れましたが、研究を進めるにつれ微生物生態学のおもしろさにも魅了されるようになりまし
Posted On 13 7月 2015

2015年微生物生態学会研究奨励賞:受賞理由(吉澤晋氏)

吉澤晋氏 東京大学大気海洋研究所、地球表層圏変動研究センター講師 吉澤氏は東京大学海洋研究所(現、大気海洋研究所)にて発光細菌に関する学位論文をまとめた後、同所およびMITにて海洋微生物の新たな光エネルギー利用機構である微生物型ロドプシンに関する研究を行ってきた。ロドプシンとはレチナール色素をクロモフォアとして持つ7回膜貫通型の光受容タンパクで、光センサーあるいは光駆動型のイオンポンプが知られる。後者の場合、光を受容することで細胞内から外にプロトンを排出し、内向きのプロトン駆動力を形成してATP合成を行う。2000年にメタゲノムを通じて発見されたプロテオロドプシン
Posted On 13 7月 2015

2015年微生物生態学会研究奨励賞:受賞理由(石井聡氏)

石井聡氏 Assistant Professor Department of Soil, Water, and Climate, and BioTechnology Institute, University of Minnesota 石井氏はアメリカミネソタ大学に博士課程の学生として滞在中、丹念なフィールドサンプリングを基礎にした研究、調査をもとに、大腸菌の環境中での動態についての研究をまとめ、博士号を取得した。この中で石井氏は大腸菌が土壌や藻類に付着することにより環境中で長期に生残あるいは増殖しうることを初めて証明し、大腸菌の分布が人間活動を反映したいわゆる糞
Posted On 13 7月 2015